賢いエアコンの選び方とは?
エアコンのタイプ 省エネタイプ 各メーカーの上位機種。つけている時間の長いリビングなどにおすすめ。 つけている時間が2〜3時間程度の寝室におすすめ。子供部屋にも最適。 ほとんどつけない客室におすすめ。 年間で標準タイプと比べて、省エネタイプは約20,000円、準省エネは10,000円も安くなる。 最初は高いが、電気代が安いので安物を買うよりいい物を買いましょう。(機能も色々と違います・・・) |
エアコンは冷暖房・除湿をはじめ、室内の空気環境を整えるためにも、必需品となっています。新築住宅をはじめ、子供部屋に必要になったり買い替えが必要になったりと、意外と購入する機会が多いのではないでしょうか?
エアコンは冷蔵庫や洗濯機と違い、取り付け工事が必要となる家電製品のため、機能と価格だけでは選べない家電です。
そこで今回は、失敗しないエアコンの選び方について以下の4つのポイントにまとめてみました。
エアコン購入前に、お役立て下さい!
Point1.我が家に最適な容量を見極める
ご使用される場所に対して適切な能力のエアコンを選ばないと、いくら運転しても全然部屋が冷えない・暖まらないということになります。そのため、適切なエアコン容量を見極めるのは、大事なポイントとなります。
まずメーカーのカタログを見てみましょう。部屋の大きさが記載されていますが、最低限チェックしたい項目は「畳数の目安」と「能力」のふたつ。エアコンの能力は(3.6kWなど)kWで表されます。そしてこの能力に対し、畳数の目安の掲載があります。では、その数値の意味について見ていきましょう。
■畳数の目安
カタログの表記例 |
右の図の赤で囲んだ部分が「畳数の目安」です。この畳数の目安は「8〜10畳」(暖房)と記載があった場合8〜10畳の部屋に適しているという意味ではありません。「木造なら8畳・鉄筋なら10畳」という意味となりますので、ご注意を!(木造よりも鉄筋住宅のほうが密閉率がいいからですね)
■能力(kW)
続けて青で囲んだ部分が「能力」となります。この数値が大きいほど、力が強く広い部屋に対応できるという意味です。( )内の数値は、変更できる能力の幅で、この最小値が小さいほど、きめ細かな運転ができるエアコンとなります。
しかし、これだけでは不十分なのです。より最適な容量を見極めるには、もう少し細かい条件を加えていかなくてはなりません。
■加えて考慮する項目
・ 建物の種類(木造・鉄筋)
・ 建物の断熱性能
・ 部屋の向き
・ 窓の大きさ
これらを公式に従って計算すると、適切な容量が算出できますが、自分で計算するのは大変ですよね。そこで、われわれ専門家の登場です、不明な点はご遠慮なくお聞きくださいね。
Point2.家計を助ける「省エネ度」チェック
省エネ度の表記 |
最近のエアコンは、6〜10年前に比べると本当に消費電力が少なくなり、かなり省エネが達成されています。しかし、その中でもやはり差はあるもの。どうせ買うなら電気代の節約をしましょう。
また、効率が良いということは、環境に対しても良いということ。これからのエアコン選びに「省エネ度チェック」は現代人として必須です!省エネ度は、カタログに記載されている以下の項目でチェックできます。
■省エネ達成率
省エネ基準(目標値)をどれくらいクリアしているかを「%」で表しています。数値が大きいほど省エネの機種といえます。
■冷暖房平均COP
16畳と10畳の省エネ度比較 (参考:ダイキンカタログ) |
消費電力1kWあたりの冷房・暖房能力(kW)を表した数値となります。COP数値が大きいほど、エネルギー効率がよい省エネ型の機種となります。
冷暖房平均COPの数値は、省エネ達成率より重要なので良く確認しましょう!
例えば、左の二つのスペックを比べて下さい。
いかがでしょうか?
この2機種の数値を見ていくと、
16畳:6.7kWの場合【COP】4.00で【達成率】126% |
10畳:3.6kWの場合【COP】6.01で【達成率】122% |
達成率では16畳が優秀に見えますが、冷暖房平均COPでは10畳の方が効率が良いということが解ります。
このように、達成率はあくまで「目標値に対しての達成率」ですので、必ず【COP】と合わせて確認するようにしましょう。
■電気代の違い
年間で標準タイプと比べて、省エネタイプは約20,000円、準省エネは10,000円も安くなる。 最初は高いが、電気代が安いので安物を買うより良い物を買いましょう。(機能も色々と違う・・・)
あと余り皆さん知らないのが電圧の違いです。28クラスからしかありませんが200V使用の機器のほうが消費電力又は能力が100V使用に比べて消費電力は低く、能力は高くなります。もちろん省エネ率も上です。機器代は一緒なのに非常にお得な気分です。
Point3.機能満載!本当に必要なものを選ぶ
最近のエアコンは、いろいろと機能が満載。果たして自分にはどの機能が必要なのか迷うところでは?そこで、ベーシックな機能と最新機能に分けてチェックしてみましょう。
■冷暖房・基本性能
快適な室温維持に必要な機能はいくつかありますが、温度制御のプログラムやセンサーが搭載されているのは標準機能といえます。チェックポイントとしては
・ 運転モード
・ 気流の工夫
・ ルーバースィングの範囲や角度
・ 温度設定の細かさ
・ センサー性能
などが、どの程度細かく配慮されているかをチェックしましょう。
■除湿機能
最近の主流は「再熱除湿」という除湿方式。通常は湿度を下げると室温も下がってしまうのですが、再熱器で暖めた空気をミックスすることで、温度を下げずに湿度を下げてくれる機能です。除湿方式としては、これがおすすめです。また「洗濯乾燥モード・結露防止モード」など除湿のモードも複数設定されていますので、必要or不要をチェックしましょう。
■除菌機能
各メーカー除菌に対しては、プラズマ除菌・除菌イオン・光触媒・ナノチタン・UV照射など、何らかの対応をしていますが「どれが優れている」とは、一概に言えないのが苦しいところです。それぞれの特徴をカタログなどで確認し、自分が一番「納得」する方式を選ぶのが一番かと思います。
■最新機能について
日進月歩の家電機能。そのため、毎年新しい機能が発売されます。以下に最近のトレンド機能をピックアップします。
・ 換気機能(排気換気・給排気換気・給排気同時換気)
・ 空気清浄機能
・ 酸素機能
■使い勝手&メンテナンス
やはり日々の使い勝手は大切。
・ リモコンの操作性
・ タイマーセットの仕方
などの確認をしましょう。
以上エアコンの機能も多岐に渡っていますので、自分が重視したい機能はどれなのかを整理してから、じっくり検討しましょう。
Point4.施工に必要なチェックも忘れずに
最初にも書きましたが、エアコン選び=機種選びではありません。施工がきちんとできるかを判断するために、必要となる情報を確認しておきましょう。では、室内機・室外機それぞれの確認ポイントを整理しましょう。
■室内機・設置スペースの寸法(幅×高さ)
窓と絡む位置に設置する場合が多々あります。設置可能な空き寸法をしっかり確認しましょう。またエアコンを付けた場合に、近くに吊戸棚などがあると、扉が開かなることも! 周囲の状況も含めて良く確認しましょう。
■室内機・下地補強の有無
エアコン取り付け位置が想定されている場合、下地の準備がされていますが、特に想定されていない場合は、壁の下地が必要かどうかを調べておきましょう。
エアコン用コンセントの種類 |
■電源の有無とコンセントの形状
エアコン取り付け位置が想定されている場合、コンセントも設置されているはずです。しかし、右表のようにコンセントといってもいろいろあるため、取り付けたい機種によっては、容量・コンセントタイプなど、変更工事が発生する場合もあります。ご自宅にコンセントがある場合は、コンセントの形・ボルト(V)・アンペア(A)などをメモしておきましょう。
施工に必要となる情報の表示 |
■室外機・設置スペースの確保
意外と見落としがちなのが、室外機の置き場所。カタログにも左の赤枠内のように「配管の長さ」と「最大高低差」が記載されています。その範囲内で設置できる場所があるか、しっかり調べておきましょう。
また最近の上位機種には換気機能、酸素機能などの追加配管のいる機種もあります「多分つけれるだろう」ではなく不明な点は工事店にたずねましょう。
■効率の良い設置場所とは
せっかく高性能の機種を選んでも、設置場所によっては、その性能が最大限活かされなくなります。できるだけ冷暖房の効きが良いよう、室内機・室外機ともに、効率の良い場所を選びたいものです。新築などで、エアコンの設置場所から検討する人は、お気軽にご相談ください。